打ち切り

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打ち切り(うちきり)とは、継続的に行っている物事を途中で終了すること。

テレビラジオ番組CM漫画、連載小説などメディア作品の分野においては、継続的に放送、連載することを予定していたものが、予定期間の満了以前に終了したり、作品が完結しないまま突発的に終了することである。この項では、その意味での「打ち切り」について記載する。

統計学においては、何らかの理由によりデータの採取の打ち切りが行われる場合に、累積ハザード解析などの手法が必要となる。

打ち切りになる要因[編集]

打ち切りになる要因は、次の理由が考えられる[1]

不人気・人気の低下[編集]

テレビ・ラジオの番組や漫画・小説の連載の打ち切り理由で最も多いのは不人気や人気の低下により打ち切られることである。またオンエア予定期間いっぱいまで継続されても、期間が半年や1年と短い場合も「打ち切り」と呼ばれることがある。放送番組の場合、打ち切る際にローカル局を配慮しない場合もある。

放送番組の場合、不人気であっても出演者やスポンサーの都合もあり、打ち切りに踏み切れない場合がある。また逆に視聴率が低迷する恐れが高い場合、視聴率が落ち込む前に打ち切られる場合もあり、基準はさまざま。また視聴率低迷の基準もさまざまで、一般的には1桁台だと低迷しているとみなされるが、場合によってはかつてほどの勢いがない、陰りが見えてきた、という状況でも低迷しているとみなされることもある。

アメリカのテレビ業界は更にシビアであり、人気がある番組はその後もシリーズが作られる一方で、視聴率次第では2~3週で打ち切りになる番組も決して珍しくない。テレビドラマ『アリー my LoveAlly McBeal)』の後番組 『Girls Club』が、わずか2週で打ち切りになったという記録がある。かつては人気のあった番組でも、人気低下により終了した場合は「打ち切られた」とみなされることも多い。

主な実例

有名な例、改編期以外の時期に終了した例、後番組が決らないまま終了した例(終了後の特番の連発等)を主に掲載している。
  • 笑ってポン!TBSのテレビ番組)
  • オレたちのオーレ!
  • もうひとつのJリーグ
    • 1993年、Jリーグ人気に便乗して制作されたサッカードラマ。いずれも人気は得られず、以後はサッカーをテーマにしたドラマ作品は制作されていない。
  • ここがヘンだよ日本人
    • TBSのテレビ番組。出演者の過激な発言、討論に加え、放送枠移動(水曜22時→木曜22時)で前枠では安定していた視聴率も平均7%前後と急落したため[2]、枠移動からわずか1年弱で終了。ちなみに、本番組は改編期まで放送されている。
  • 自信回復TV 胸はって行こう!フジテレビのテレビ番組)
    • キー局製作のバラエティ番組としての最短記録である「29日間」しか放送されなかった。
  • 雲と波と少年と(日本テレビのテレビ番組)
    • 元々1クールのみのつなぎ番組だったが、スタッフがロケ地で死亡事故を起こす不祥事に加え、前番組よりも視聴率が低迷しわずか6回で終了。皮肉にも改編期までのつなぎには前番組『電波少年に毛が生えた 最後の聖戦』の特番を放送することとなる。
  • A日本テレビのテレビ番組)
    • 久米宏松浦亜弥による情報バラエティとして注目を集めたが、視聴率低迷のため久米宏の自主降板によりわずか3か月で終了。
  • 伊東家の食卓
    • 2006年10月に大幅リニューアルを行ったが、リニューアル以前は安定していた視聴率が急落し[3]、リニューアルからわずか半年で終了。
  • 笑いの金メダルテレビ朝日系のテレビ番組)
    • 放送枠移動(金曜21時→日曜20時)による視聴率低迷による内容変更で平均視聴率7%とさらなる低迷を引き起こしたため終了。[4]
  • ドッカ〜ン!
  • キャプテン☆ドみの
    • TBSの同時期に放送された土曜19~20時台の番組。前者はスポーツ中継による休止中に視聴率回復が見込めないとして、最終話が製作されず、後者はみのもんた[5]起用と総工費1億円のセットの建設で話題となったが、いずれも視聴率低迷のため3か月で終了。さらに後番組の『ヤレデキ!世界大挑戦』と『地球!ジオグラTV』も半年を待たず1~2月と中途半端な時期に打ち切られている。
  • ピーマン白書(フジテレビのテレビドラマ)
    • 1980年秋の土曜20時台に放送されたが、裏番組の『8時だョ!全員集合』が第2次全盛期であったことから約2%という異例の超低視聴率を記録。全11話を予定していたが第6話・第7話・第8話を飛ばし、さらに2回飛ばして最終話を放送。フジテレビのテレビドラマ史上最悪の視聴率と言われた(最も低かった最終話の視聴率は2.2%)。
  • 復活の日
  • 悪魔の契約にサイン
    • 前者は極端に低い視聴率から中途半端な時期に打ち切り。後者は冠スポンサー番組でないにも関わらずスポンサーが1社・30秒のみと言う異例の状態で開始。番組内で視聴率低迷を自虐ネタとして公言した程で、最終回は当日の新聞で初めて番組終了が告知される予告なしの放送終了となった。
  • チャゲチャ澤井啓夫の漫画作品)

不適切な内容・行為[編集]

放送番組での「やらせ」演出等の不祥事、収録中の事故、他の事象による影響、クレームにより、内容・表現において不適切な部分があったために打ち切りになる場合がある。

架空の作品において実在のものを出してしまった場合や事実と異なる情報により既存の会社等に不利益をもたらすと思われる場合、抗議を受けた際打ち切りという手段によって謝罪とする場合がある。また、放送番組において本放送で問題にならなかったことがその後問題となり、再放送がなされなくなるケースも存在する。 通常は、内容の一部を変更したり、一定期間を経てリニューアルされる場合が多く、発覚してすぐに終了する例はあまりない。

主な実例

個人の都合[編集]

放送番組において、出演者(特に主役、司会者)自身の都合(病気や負傷、その他の休養、不祥事による降板、死亡事故)やグループの解散で番組を継続させることが不可能になる場合に打ち切られることがある。しかしこのケースにおいても、通常は一部内容や出演者の変更やリニューアルにより再開されることが多い。

小説・漫画においては作者の死去や入院あるいは刑事事件による逮捕の不祥事による場合で、振り替えの人による執筆続行が困難な場合、打ち切られることがある。

逮捕された後、不起訴または起訴猶予の処分になるか、もしくは冤罪・証拠不十分などで無罪が確定して釈放されたとしても、数ヶ月 - 数年の拘束で作者としての活動が封じられることになるため、結局打ち切りになるのは避けられない。

特に、ほぼ毎日連載される新聞連載の小説・漫画に顕著である。

主な実例

スケジュール・スポンサーの影響[編集]

製作体制に問題があった場合、その作品の製作が追いつかず、やむを得ず打ち切りになる場合がある。特にテレビや週刊漫画など毎週のように製作しなければならないものに顕著である。

  1. テレビ・ラジオの番組では「制作会社や広告代理店倒産」「スポンサーの降板」などで資金が捻出できない場合
  2. スタッフとの軋轢やスケジュール面などで出演者(あるいは作家)を確保できない場合
  3. 「制作期間が無い」などの理由で製作体制の維持が困難になった場合
  4. 内容のマンネリ化やネタ切れ

主な実例

事件・事故・災害のため[編集]

大事件・大事故・大災害が発生した場合、被災者・遺族等に配慮するためや、その影響で収録ができないために番組そのものを打ち切りとするケースもある。基本的に番組や内容の一部を差し替えたりすることが多いため、終了になる例はまれである。

主な実例

社会情勢の変化のため[編集]

社会情勢の変化により、放送が打ち切られるケースもある。

主な実例

テレビ番組の打ち切りの基準[編集]

日本のテレビ番組においてはキー局における視聴率、ラジオ番組においては聴取率がよくないと打ち切りの対象とされる。その多くは平均視聴率10%以下の番組であり、テレビ東京ではアニメ番組を除いて平均視聴率6%以下の番組は打ち切りの対象との説がある。この場合もローカル局を全く配慮しない打ち切りも多い。

テレビ番組の場合、2クール(約6ヶ月)が基準とされ、計画より早く、6ヶ月以下で終了となった場合に「打ち切り」と呼ばれる事が多いが、急激な視聴率低下や不祥事等で終了した場合も打ち切りと呼ぶ事もある要出典。なおテレビドラマは当初計画より短い話数であれば「打ち切られた」とみなされる。

また、基本的に打ち切りゴールデンタイムの番組の場合に使われており、昼間や深夜の番組はよほどの低視聴率か上記のような継続できない理由がない限り、改編期まで放送を続ける上、半年での終了が珍しくないため打ち切りと呼ばれる事は少ない。

放送局の魔の時間帯[編集]

番組の打ち切りが繰り返されていた時間帯は「魔の時間帯」と呼ばれ、近年ではTBS系列の水曜夜7 - 8時枠(現在、7時枠は生き物サンキュー、8時枠は水曜日スペシャル)や平日正午枠(現在は『ひるおび!』)、日本テレビの月曜日夜10時枠(ytv制作)のドラマ(現在は日本テレビ制作『しゃべくり007』)、などが該当する他、日本テレビの日曜夜8時枠(現在は『世界の果てまでイッテQ!』)、TBSの土曜夜7 - 8時枠(現在、7時枠は炎体育館、8時枠はジョブネプチューン)やフジテレビの月曜夜7時枠(現在は『ネプリーグ』)のように脱却した例もある。

編成の都合がつかない場合[編集]

原作をベースとした派生作品(主に週刊誌の漫画を原作とするアニメ)や海外ドラマ、他局製作番組の放映が原作や製作局の放映に追いついてしまい、止むを得ず一旦打ち切りになる場合もある。この場合はある程度本数がたまったのちに続編として再開されたり、特番として不定期放送されることも多い。

また、打ち切りを免れた場合は『名探偵コナン』(讀賣テレビ)や『ケロロ軍曹』(テレビ東京)のように、原作にはないアニメオリジナルストーリーを(原作のイメージに則した範囲で)盛り込み、放送を続けることもある。特に後者は現在放送されている内容の大半がアニメオリジナルである。

物語の展開上オリジナルシーンを盛り込みにくかったり原作が間に合わなくなったため、『ドラゴンボール』シリーズや『ONE PIECE』(いずれもフジテレビ)遊戯王DM(テレビ東京)のようにプロ野球中継や別番組の特番による休止・原作の展開の引き伸ばしを行った例もある。

このほか、ローカル局が新たなローカル番組の放送や新規の番組購入のためにネットを打ち切る事がある。近年ではテレビ東京系ほかで放映されている『D.Gray-man』が当初4クール(全51話)で予定していたが、急遽放映の延長が決まり、その当初の放映スケジュール通りに後番組の編成を組んでいた一部の時差ネット局がこれに対応出来ず、打ち切らざるを得なくなったと言う例もある(この場合、一応当初の予定通りには放映した事にはなるので、「狭義の」打ち切りには当てはまらない)。また『銀魂』も当初は2年間での放送終了を想定していたが、3年目の放送が決まり一部ネット局で打ち切られている。

更に特殊な例としては、TBS制作の『アニアニランド』枠放映作品が、編成の都合で未放映回が発生したが、そのうち『びんちょうタン』に関してはTBSおよびBS-iでは9話で打ち切られたが、関西圏のネット局である毎日放送では全話が放送(それもTBS・BS-i放映分には無かったエンディングテーマ付きの「完全版」仕様)されるという、極めて稀な現象(制作局で在京キー局のTBSより高待遇)まで発生した。

つなぎ番組・連載[編集]

詳細は つなぎ番組 を参照

前番組が何らかの理由で打ち切られ、後番組の準備が間に合わない場合、年末年始や改編期以外に単発の特別番組が放送されることがある。短期間の放送を前提としているため、一般にはあまり「つなぎ番組が打ち切られた」とは認識されない。中には、好評だったため正式にレギュラー化された番組もある。

また新聞等で連載されている小説は、当初から予定されている規定回数を大幅に超過することが明らかになった場合に「物語を途中で打ち切り」とするケースがある。この場合は物語の続きを他の雑誌など他媒体に移行したり、単行本を刊行して完結させることが多い。雑誌連載の小説・漫画では掲載雑誌の廃刊や休刊、雑誌の編集方針の変更等で打ち切られるケースがある。

脚注[編集]

  1. 有名な例、特異な例、改編期以外に終了した例、次番組が決定しないままの終了(終了後の特番の連発など)を主に掲載しています。また、要因が同種のものはまとめて掲載しています。
  2. 枠移動の失敗による。
  3. リニューアルが失敗したことによる。
  4. どや顔サミット』も同じパターンで終了している。
  5. 冠番組であるが、実質上の司会は藤井隆が勤めていた。
  6. 抗議を受けた第3部までに比べ、再開後の第4部は出来事の描写や一話ごとに扱った年月が短くなっている。
  7. 不起訴の場合、無罪が確定した場合と異なり、後日新たな証拠が出てくればいつでも再逮捕し、起訴することができる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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